節税方法としてほとんど知られていない「エンジェル税制」を知っていますか?
エンジェル投資家という言葉とエンジェル税制との、このエンジェルという言葉には同じ意味合いがあります。
エンジェル投資家とは、お金に困っているベンチャー企業に富裕な人が資金を供給する仕草から、そのような呼び名が付いているんですけども。
早速、「エンジェル税制」について詳しく語っていきたいと思います!
今はまだという段階なんですが、面白い節税方法なので知って帰ってください^^
エンジェル税制は面白い!
まず普通に暮らしていて「エンジェル税制」という言葉を聞くことはないでしょうし、節約節税サイトでもお目に掛かれない内容です。
もっと言えば、税理士に有料相談しないとマイナーでありレアな方法過ぎて提案してくれない内容だったりもします。
さて、そんな「エンジェル税制」なんですが、非上場企業(上場していないベンチャー企業)に投資した金額が、控除額に早変わりするのです。
▼例:100万円を非上場企業へ出資した
100万円ー2000円=99.8万円 が、総所得金額から控除できます。
(計算式:投資金額ー2000円)
「100万円投資したら99.8万円が所得控除できる!」
そんな話聞いたことありますか?
100万円投資しただけであり、言うなれば非上場企業にお金を一時的に預けただけなのに損金に認められたようなものです。
株式投資と違うところは、株式投資だと売却益(つまりは出口)から税率計算されるんですが、エンジェル税制は、入口段階で計算されるためとても簡潔であり計算しやすいのです。
エンジェル税制による年間最大控除額は
- 総所得金額×40%、または1000万円のいずれか低い方
- 他の株式譲渡益から控除(上限なし)
この2パターンが存在します。
個人的には、株式譲渡益から控除されるのは40%控除よりもメリットが高いと感じます。
非上場企業に投資した会社が潰れてしまったら or 上場したら
倒産してしまった場合、または、株式そのものに価値がなくなってしまった場合には、マイナス額としてその年の株式譲渡益と相殺できます。
それでも、相殺しきれなかった分があれば、3年間に渡って他の株式譲渡益と相殺できます。
逆に上場した場合、普通に譲渡益が課税対象となります。
平成20年までは、株式譲渡益に特例措置があり、譲渡益を1/2に圧縮して課税される措置があったんですが、今はなくなっています。
そのため「エンジェル税制」の旨味がグッと減った感じはありますね。
「じゃあエンジェル税制は使えない節税方法なのか?」
と言われたらそうでもないんですよね~
共同出資は旨味アリ
なにも他人に投資するだけがエンジェル税制の旨味ではなく、自分で開業した会社に対しても適用できます。
▼例:出資総額1000万円、開業予定者25%、出資仲間15人(5%/人)
この場合でも、開業予定者含め16人がエンジェル税制の適用となります。
そのため、よくドラマで「出資してくれ」という話をやっていますが、エンジェル税制を利用すれば控除対象となりますし、何なら当たった時は大きな利益が望めます。
経済産業省に具体例が記載されているので、そのリンクはこちら
- 老舗自転車メーカーが、車イス製造販売に挑戦(300万円の投資で47万円の減税)
- 建設会社が、子会社を設立して、有料老人ホームを開設(900万円の投資で228万円の減税)
- 中小企業3社が連携して、新製品を開発(200万円の投資で34万円の減税)
- 中小メーカーと中小販売会社が連携して、新販売先を開拓(490万円の投資で59万円の減税)
- 青果卸業者が共同で、青果輸出商社を設立して、輸出を開始(200万円の投資で41万円の減税)
- 商店街で、若者向けブティックを誘致(50万円の投資で10万円の減税)
- 共同で、地域ブランド製品を製造するむらおこし企業の設立(100万円の投資で12万円の減税)
どうやって出資するのか?
知人が起業するでもなければ、見ず知らずの企業にどうやって出資するのかわからない。
上場企業であれば、証券会社を通じてトレードすることで株券の売買が可能ですけど、非上場企業であればそのような場がありませんでした。
それに、非上場企業に出資する話なんて如何にも詐欺がありそうな話じゃないですか?
そういう「どこでやっているんだ?」という方のために、FUNDINNOがあります。
FUNDINNO(ファンディーノ)とは、エンジェル税制が適用できる企業へ出資できるサイトであり、ピックアップされているので自分で探す手間が省けます。
また投資した非上場企業のIRや投資家同士のやりとりができます。
色々語りますと、エンジェル税制の適用が受けられる企業は設立10年未満というような制約があったりして、出資する側としては、設立年数が多い方が安心だったりもします。
会社設立10年後には1割の企業しか残っていない現状も考慮すれば、その辺りも判断材料になるでしょうか。
もちろん、業種もポイントですしあれこれ考えなくてはいけません。
ただ「エンジェル税制」は、お金に余裕がありチャンスとリスクを許容した上での節税効果を配慮して実行に移すものですので、ないお金をはたいて出資するモノではないと言っておきます。
でもね、きな臭い投資話に乗っかるよりは、クリアで意味のあるお金の使い方ですから、いつかのために知っておいてください^^
経済産業省に色々なデータが載っているんですが、これで儲けが出ている企業があるのも事実なんですよね~
私は、滅多に経済産業省のサイトを覗くことなんてなく、このような調べ物をしている時ぐらいしか見ないんですが、記事書く=知識が高まる サイクルで楽しませてもらってます^^